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心の話をします。

門をくぐって間も無いところに分かれ道があって、そこを右に進むと、薄っすらと日が射し込む生温かい部屋にたどり着く。
左に進むと、ガラス張りの壁の前にたどり着く。こちらの壁の真ん中には、ロックのかかった扉があって、近くにはご丁寧にそれを解くためのヒントが記されている。

突然のクイズを怪訝に思ったものは、道を引き返して右の部屋へと戻るだろう。

逆に胸を躍らせるようなものは、なんなくクイズを解いてみせるだろう。
クイズを解いたものは、晴れ晴れとした気持ちになる。しかし、ふと視線を前に戻すと、見える風景はカラカラと乾いた砂漠。程なく、見返りもない陳腐なクイズによって、人生の貴重な時間を浪費していたことに落胆する。僅かな期待を込めて扉を開けてみても、先まで続く砂漠があるだけ。しぶしぶ引き返して右の部屋へと戻るだろう。

しかし、それでも何かあるはずだと、身を奮いたたせ灼熱の砂漠を歩く変わったものも、中にはいるだろう。何もないただの砂漠。自分は何をしているのだろうと故郷に思いを馳せ、身も心も空っぽになったところで、ひとつの扉が見える。
息も絶え絶え、一縷の望みを込めてその扉をあける。
すると、そこには薄っすらと日が射し込む生温かい部屋があるではないか。と、呑気にくつろぐ人間、浮かない顔をした人間が数人。

もがいても、最後にたどり着くのは同じ客間。他人の心奥に潜るということは、そういうことのような気がします。